七言絶句「八十一歳誕生日即事」
八十一歳誕生日即事
馬齢九九迓斜窓
馬齢九九 斜窓に迓え
閑噛老軀安此邦
閑かに老躯を噛みしめ 此の邦に安んず
已忘飢寒無鐵騎
已に飢寒を忘れ 鉄騎無く
只憂咳嗽對殘釭
只だ咳嗽に憂い 残釭に対す
※九九ー八十一。古代漢土にも九九がありました。
※迓ー仄声の迎えるの文字。
※転句ー飢えと寒さと 戦争がない。
※殘釭ーランプの芯を上下させる金物。転じて灯火。
馬齢も八十一歳を古びて傾いた窓辺で迎えた。
老いの身を噛みしめることはこの国日本での幸せは
飢えも寒さも今はもう忘れるほどで今の処戦争もない。
ただ咳に悩むも灯下本がよめることである。
※詩はこういう説明をすると味わいが薄れますね。
《追記》
上記漢詩をTwitterにツイート致しましたところ、香港佬さんから詩を頂きました。
賀松村詩人青壯比南山 23/01/13
八十一回眸
心無凡世憂
耕文三萬日
字裡百年遊
この賀詩に訓読付けますと
松村詩人の青壯は南山に比す
(南山に寿を献ずという 四文字熟語が内在している)
八十一の 眸(ひとみ)を回らせば
心には凡世の憂い無く
文を耕す 三万日
字裡百年の遊
多分こんなのに成ると思います。
香港佬さん、ありがとうございました。
《追記》
頼山陽さんから詩を頂きました。
奉賀松村老人誕辰
北辰旋轉八十周
詩人意氣未盡酬
坐視世界滄桑變
驀地海屋添一籌
奉賀松村老人誕辰
北辰旋轉八十周
北辰旋転すること八十周
詩人意氣未盡酬
詩人の意気 未だ尽きざるの酬
坐視世界滄桑變
坐ろに視る世界は 滄桑変ずるも
驀地海屋添一籌
驀地(たちまち)海屋 一筹に添う
※結句が難しいですネ。
北極星(地軸)が八十周回った
詩人の意気はまだまだ尽きずに詩を(献酬)作っている。
坐ろに世界を視れば 滄桑 滄海変じて桑田となり
たちまちのうちに海屋は謀に添うであろう。
拙作は鉄騎も無いと読んでいるので、イヤイヤ危ないですョと警告して下さっていますネ。
頼山陽さん、ありがとうございました。
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