夏目漱石の漢詩を鑑賞して参ります。
夏目漱石之漢詩鑑賞 第七作
即 事(一)
即 事
雨晴雲亦散
雨晴れて雲亦散じ
夕照落漁灣
夕照 漁湾に落つ
誰道秋江淺
誰か道(い)う 秋江浅しと
影長萬丈山
影は長し 萬丈の山
【語釈】○道ー言う。〇万丈ー非常に高いことの形容。
◇五言絶句刪韻(湾・山)
【通釈】雨が晴れて雲は散じた、夕焼けの漁港。誰が言ったのか秋江は澄んでいて浅くみえるとか、いやいや影は長く高い山を映している。
※誰道の誰かは漢文では反語になるので人道にして人は道(言)うにするほうが良い。日本人の漢詩では能く間違えます。
つづく
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