漢詩鑑賞 夏目漱石之漢詩 第十一作

漱石漢詩

夏目漱石の漢詩を鑑賞して参ります。

夏目漱石之漢詩鑑賞 第十一作

   七艸集評詩   九首   其三

江 東 避 俗 養 天 眞 
   江東  俗を避けて天真を養う

一 代 風 流 餞 逝 春 
   一代の風流 (せい)(しゅん)(せん)

誰 知 今 日 惜 花 客 
   誰か知らん今日花を惜しむの客

却 是 當 年 劔 舞 人
    却って是れ 当年 剣舞の人

【語釈】※江東ー墨田川の東。「七艸集」は、子規が墨田区向島須崎町の長命寺境内の月香楼の二階に下宿して執筆した。 ※剣舞人ー子規は、松山中学時代に自由民権運動の影響を受け、上京当時は政治家を志していた。 ◇七言絶句 上平聲十一眞の韻(眞・春・人)

【通釈】江東に俗を避けて天真を養っている一代の風流人は逝く春を眺め今日、散る花を惜しんでいる人は血気に燃えて政治家を志しているとは誰が知るであろうかいや誰も知るまい。

つづく

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